【住宅ローン審査】あなたは属性が良い人?悪い人?

【住宅ローン審査】あなたは属性が良い人?悪い人?

こんにちは、皆川です。

今回は住宅ローンの審査などでよく聞く『属性』という言葉についてお話します。

『属性が良い人』と『属性が悪い人』の違いってご存知ですか?

一般的に『属性』とは、その人や事柄が持っている性質や特徴のことです。

住宅ローンの審査では、借入したい本人の性質・特徴を調べられるという訳です。

上場企業に勤めているとか、公務員であるとか勤務先によるものと思っている方が多いのではないでしょうか。

実はそれだけではないです。

具体的に解説しながら、『属性が良い人』になるためのコツ(?)もお伝えします。

目次

属性が良い人とは

属性が悪い人とは

属性の良い人になるために

まとめ

属性が良い人とは

具体的に見ていきましょう。

  • 年収が高いか借入金額が少ないため、返済負担率に余裕がある。
  • 物件価格の2割以上の自己資金がある。
  • 既存の借入がない。
  • 過去に延滞履歴がない。
  • 正社員である。
  • 勤続年数が3年以上ある。
  • 勤務先が一部上場企業や公務員である。
  • 完済時の年齢が定年より若い。

お金を貸す側の心理として、納得のいく内容ではないでしょうか。

まとめると安定した勤務先と安定した収入があり、貯蓄もできてお金の管理が出来ている計画性のある人ということになります。

金融機関は、安定した収入だけでなく、安定した返済能力を見ています。

では、属性の悪い人を見ていきましょう。

属性が悪い人とは

簡単に言うと属性の良い人の真逆の人を言います。

  • 年収が少ないか借入金額が多いため、返済負担率に余裕がない。
  • 頭金が少ない、または、物件価格の100%以上の融資を予定している。
  • キャッシングやショッピングローンなどの既存の借入がある。
  • 過去に延滞履歴がある。
  • 契約社員や派遣社員などで勤務期間継続の可能性が低い。
  • 転職直後などで勤続年数が短い。
  • 個人事業主または勤務先の規模が小さい。
  • 完済時の年齢が高齢で定年を過ぎている。

「物件価格の100%以上の融資」というのは、住宅ローンを借入する際に必要な諸費用についてもローンを利用する場合などです。

諸費用は100万円単位で必要になるので、全く貯蓄が無いとなるとかなり厳しいですね。

「完済時定年を過ぎている」は、定年退職後、収入が差がり、更に年金生活が始まるにも拘わらずローンの返済が残っていると、生活に影響を及ぼすことが危惧されるということです。

まとめると、雇用と収入が不安定だと思われる、そもそもお金にいついて無頓着で、計画性のない人には貸したくないという傾向にあるのがわかります。

属性の良い人になるために

では、現状「属性の良い人…ではないな」と自己判断した人が良い人になるために出来ることを考えてみましょう。

属性は大きく3つのこと「職業」「返済負担率」「個人信用情報(略して、個信)」を審査しているものです。

それぞれにいついて属性が良くなる方法を解説します。

【職業】

「職業」は雇用形態や勤務先の規模・内容、職種、勤続年数が審査対象に挙げられます。

職業で人を分けるのは気持ちの良いものではありませんが、金融機関が住宅購入という大きな金額を貸すとなると避けては通れない審査項目です。

あくまでも、安定した返済能力を判断する基準です。

表中の赤字は審査に通りやすいもの、青字は通りにくいものです。

雇用形態勤務先の規模職種勤続年数
正社員
契約社員
派遣社員
パート
アルバイト
自営業
会社役員
経営者
個人事業
零細企業

中小企業
大企業
上場企業
公務員
製造業
建設業
金融業
情報通信
病院
サービス業
運送業
飲食業
水商売
転職直後
一年未満

2~3年以上
10年以上

雇用形態は、期限のない正社員が強いです。

勤務先の規模も上場企業や公務員といった経営の安定が高いと思われるところが良いです。

職種は安定という点で製造業が強く、運送業は事故などによるリスクが考えられるため審査に通りにくいことがあります。

勤続年数は、転職直後や1年未満よりは3年以上あった方が良いです。

転職を繰り返す人は収入が安定しないため印象が悪いです。

この表から、公務員やメーカーの上場企業の正社員で勤続3年以上あると職業的に属性が良いということになります。

これに当てはまらない方が圧倒的に多いと思いますが、住宅ローンを組むために職業を変えようなんて思いませんよね。

でも、住宅ローンを利用することが決まっているのであれば、そのタイミングに合わせていろいろ計画しておくと良いと思います。

例えば、勤続年数。

もともと会社員で、他へ転職する、自分で起業するなど予定しているのであれば、住宅ローンを組んでから転職するのがお勧めです。

昨今の就職事情もあって、金融機関によりますが、勤続年数は半年や3か月でも大丈夫なところもあるので、確認することをお勧めします。

契約社員や派遣社員も、金融機関によっては対応するところもあります。

特にフラット35の場合、雇用形態、職種、勤続年数を問いませんので、特に審査が厳しい個人事業主の方にはフラット35がお勧めです。

【返済負担率】

返済負担率とは、年収における年間返済額の割合を表したものです。

一般的に返済負担率25%未満であれば比較的安全と言われています。

ここでいう年収とは、会社員なら源泉徴収票の支払い金額の欄に記載されている数字、個人事業主なら確定申告書に記載された所得金額です。

返済負担率を小さくできるのは、年収が高いか、借入額が少ないという人です。

年収はそう簡単に増額できませんので、借入額を少なくすることが対策となります。

例えば、頭金を入れる、予算を下げるなどです。

頭金を自分で準備するだけでなく、親御さんからの贈与も検討する価値があります。

「住宅購入費を親に出してもらう」という表現でイメージが悪いと感じる方もいらっしゃるかと思いますが、住宅購入目的の贈与については、国が勧めています。

条件にもよりますが、贈与額最大1500万円まで非課税など贈与税の特例が制定されています。

堂々と制度を利用しましょう。

注意点としては、贈与された金額を全部使い切ること。

余っていると贈与税の対象になります。

住宅ローンに回したら課税対象です。

関連記事<親から住宅資金を借入れする場合、贈与になってしまう5つの理由>

https://ietateru-consul.com/blog/2571/

予算を下げるには購入住宅の価格を下げる、購入エリアの変更により土地価格を下げるなど意外とできることが沢山あります。

また、車の購入など既存借入がある場合、年間の返済額が単純に加算されるため返済負担率が高くなり、審査が通らない場合もあります。

対策として、車の購入なら住宅ローンの審査後に購入するなどタイミングをずらすことをお勧めします。

すでに購入していて、貯蓄があるなら先に完済しておくのも手です。

関連記事<【住宅ローン】借入限度額を下げてしまう2つの原因>

https://ietateru-consul.com/blog/2811/

返済負担率の基準も金融機関によって様々です。

同じ借入希望金額、返済期間であっても、審査基準金利の違いによって年間の返済額が変わり、返済負担率に影響します。

審査金利(3.5~4.0%)を設定している民間の金融機関が多いですが、実行時の金利で設定しているフラット35や中央労金などもあります。

実行時の金利の方が年間の返済額が少なくなるため、民間の金融機関で審査が通らなくてもフラット35や中央労金なら通る可能性が出てきます。

【個人信用情報(略して、個信)】

個人信用情報は略して個信(こしん)と呼ばれます。

借入する本人のお金に関する信用情報は一括管理されていて、金融機関などが問い合わせをして情報を得ています。

住宅ローンの様な高額のお買い物でもスマホの購入でも見られるところは一緒です。

つまり、住宅ローンの審査より前から、日常生活において、自ら信用を下げるような行動は控えましょう。

「お金に関する信用がない」というと、消費者金融で借入しているとか、クレジットカードの支払いが遅れているとか、いわゆるブラックリストに載っている行動だけだと思っていませんか?

キャッシング、車のローン、スマホ本体を分割払いで購入などのショッピングローンは、全部借金です。

消費者金融でお金を借りると「それはダメでしょ」って強く止めてくれるお友達やご家族がいるかもしれませんが、車やスマホをローンで買っても、特に指摘されなかったりします。

キチンと返済できると思われているからですね。

ローンの審査において、たとえ少額でも返済が滞っている、遅れた経験があるとなれば、消費者金融でお金を借りている人と同じように信用がなくなります。

どうにもならないのであれば、住宅ローン審査申込みの際に、正直に既存借入について申告して相談しましょう。

審査が通り次第完済する旨を伝えると、完済を条件として住宅ローン審査が承認されることもあります。

関連記事<住宅ローン審査、年収だけじゃない通らない驚きの理由>

https://ietateru-consul.com/blog/1787/

まとめ

・「属性の良い人」とは、安定した勤務先と安定した収入があり、貯蓄などお金の管理が出来る計画性のある人。

・「属性の悪い人」とは、雇用と収入が不安定だと思われたり、そもそもお金にいついて無頓着で、計画性のない人。

・金融機関は、安定した収入だけでなく、安定した返済能力を見ている。

・属性の良い人になるために、住宅ローン審査を受ける前に、清算できるローンは清算し、車の購入などの予定は住宅ローン後にする。

・借入希望額を減額する方法、頭金の準備(自分で貯蓄、住宅購入資金贈与)や物件の予算の減額、住むエリアの変更による土地価格の減額を考える。

審査が通らないというのは「希望した金額が通らない」だけです。

属性の良い人の項目が満点でないと通らないということではありません。

審査は「総合的に判断して、全額は難しいけれど減額なら通します」というパターンもあります。

ですから、少しでも属性の良い人になるポイントを増やしましょう。

自分で「どうにもならないところ」、「どうにか出来るところ」があります。

どうにか出来るところは、自分だけでなくご家族と話し合い協力し合ってみてください。

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