【住宅ローン】借入限度額を下げてしまう2つの原因

【住宅ローン】借入限度額を下げてしまう2つの原因

こんにちは、皆川です。

今回は、住宅ローンにおける借入限度額についてお話します。

「自分はいくら借りられるの?」「マイカーローンがあるけど、これは影響するの?」「奨学金があるけど、これも影響する?」

など、30代前後のご夫婦によく登場する住宅ローン以外の2つのローン、マイカーローンと奨学金。

それらが住宅ローンにどれほど影響するか心配な方は沢山いらっしゃると思います。

結論、影響あります。

ここでは、借入限度額の算出方法をご紹介し、マイカーローンと奨学金がどれほど影響するかを解説します。

目次

自分はいくら借りられるの?

マイカーローンは影響する?

奨学金は影響する?

まとめ

自分はいくら借りられるの?

家を買うとなったら、まずはお金の心配でしょう。

「住宅ローンを利用したいけど、自分はいくら借りられるのかな?」

実際、自分がいくら借りられるか知らないのが普通です。

簡単に年収の8倍くらいを目安としたりしますね。

ちなみに、国土交通省は「令和元年度住宅市場動向調査」で、借入額の平均値を発表しています。

注文住宅   :3361万円

分譲戸建て住宅:2830万円

分譲マンション:2702万円

中古戸建住宅 :1575万円

中古マンション:1551万円

「じゃあ、平均くらいを借りようかな、注文住宅を買いたいから3300万円くらいだね」

この考え方は、ダメです。

買っている住宅の資産価値、持っている資産、収入の金額やその安定度、住宅以外の生活費、家族構成、住宅ローンの借入金利、借入期間など各家庭で何もかもが違います。

また、会社の同僚が家を建てたとき、同じような家族構成で収入も同じくらいだから、その人と同じくらいかな...と安易に考えがちですが、そんなに簡単な話ではないです。

「よそはよそ、うちはうち」の考え方を徹底しましょう。

金融機関の住宅ローンの主な借入基準は以下の通りです。

物件の条件:建築基準法に適合していること

利用者の条件:年齢、勤務形態、勤続年数、年収、団体信用生命保険の加入、その他

借入額:借入限度額(返済負担率30~40%)

返済負担率とは、年収に占める住宅ローンの年間返済額の割合のことです。

フラット35では返済負担率を35%以下(年収400万円以上の場合)としています。

これを参考にして、借入額を試算してみましょう。

計算式 : 借入額=収入×返済負担率÷12か月×100万÷返済額早見表値*

【年収500万円、民間金融機関審査金利が変動金利3.5%、35年間返済の場合】

500万円×35%÷12か月×100万円÷4,133円⇨約3,530万円

【年収500万円、フラット35で審査金利1.3%、35年間返済の場合】

500万円×35%÷12か月×100万円÷2,965円⇨約4,920万円

*返済額早見表:100万円を借り入れた場合の毎月返済額を表にしたもので、実際には小数点以下の数値があるため、あくまでも目安として利用します。

借入可能額の差は約1400万円と、かなりの違いが出ましたね。

年収400万円、600万円、700万円についても同様に計算して表にまとめてみました。

何度も言いますが、これは目安の値です。

年収400万円500万円600万円700万円
民間金融機関2820万円3530万円4230万円4940万円
フラット353930万円4920万円5900万円6890万円

これで、およその目途が立ちますが、実際ローンの借入額は金融機関の審査で決まります。

住宅ローン審査の関連記事はこちら

<住宅ローン審査、年収だけじゃない通らない驚きの理由>

https://ietateru-consul.com/blog/1787/

まずは、事前審査で借りられるか否かをはっきりさせましょう。

そして、これまでの試算は抱えているローンが「住宅ローンのみ」とした場合です。

では、問題のマイカーローンや奨学金を返済していたらどうなるのか、見ていきましょう。

マイカーローンは影響する?

マイカーローンは影響します。

年間の返済額(収入×返済負担率)からマイカーローンの年間返済額を引いて、計算されます。

例えば、マイカーローンの年間返済額が72万円の場合、

【年収500万円、民間金融機関審査金利が変動金利3.5%、35年間返済の場合】

(500万円×35%-72万円)÷12か月×100万円÷4,133円⇨約2,080万円

【年収500万円、フラット35で審査金利1.3%、35年間返済の場合】

(500万円×35%−72万円)÷12か月×100万円÷2,965円⇨約2,890万円

住宅ローンのみの場合と比較すると、表のようになります。

 住宅ローン住宅ローン+マイカーローン
民間金融機関3,530万円2,080万円
フラット354,920万円2,890万円

どちらも3000万円を切りました。

最初に自分達が思い描いた我が家よりも予算を下げて考え直すことになりそうです。

ローンの返済負担率は、金融機関が目安とする30~40%、理想は20~25%と言われています。

将来、何が起こるかわからないので、無理をしない理想範囲内に抑えたいものです。

住宅ローンに加えて、マイカーローンが合算されると、返済負担率は増えていきます。

生活がどんどん厳しくなることが想像できますね。

金融機関の住宅ローン事前審査でもこの返済負担率は注視されます。

払えなくなる可能性が少しでもあれば、貸してくれません。

住宅購入を考えたら、マイカーローンはなるべく清算しておく、もしくは住宅購入後に車の購入をすると良いでしょう。

奨学金は影響する?

奨学金もマイカーローンと同じです。

奨学金の返済中に住宅ローンを申し込んだ場合、審査に影響を与えます。

特に延滞や滞納があると融資を受けられない場合もあるため、状況を事前に確認しておくことが大切です。

奨学金とマイカーローンの2つの負債がある場合はダブルで減額されるため、借入可能額が前出のマイカーローンの試算よりも少なくなります。

住宅ローンの契約前に奨学金を一括完済しておくと借入額を増やせる可能性があります。

一方で、金利の低い奨学金は借りたままにして、その分の貯金を頭金として借入額を減額する方法もあります。

借入額が少なくなれば、その分利息も軽減しますね。

事前にいろいろシミュレーションしておくと良いでしょう。

まとめ

・借入可能額は、年収におけるローンの返済負担率(35%程度)から算出できるが、その金額は目安にすぎず、出来れば少し余裕のある25%以下にしておくことが望ましい。

・マイカーローンは住宅ローンの借入額に影響するため、先に清算しておくか、車の購入時期を住宅購入後にするとなど対策するとよい。

・奨学金も住宅ローンの借入額に影響するが、金利が低いため、清算できるほど貯金がある場合、その分を住宅購入の頭金に回すなどして借入額を減額するなど検討した方がよい。

借入の審査で最も金融機関が重視するのは、「安定して返済する能力がある人か否か」です。

どんなに高収入でも、延滞や滞納をする人に金融機関は厳しいです。

安定した収入だけでなく、安定した返済能力が必要です。

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