戻し保証料は返済口座に入金される!

戻し保証料は返済口座に入金される!

今回は、住宅ローンの融資事務手数料型・保証料型と戻し保証料の関係についてお話します。

住宅ローン、通帳ではローン返済として「お支払い金額」に記載されるばかりだと思っていませんか?
借り方によっては、「お預かり金額」にも記載されるものがあります。

それは「戻し保証料」。

住宅ローンの契約を保証料型外枠方式にした場合のみ、繰り上げ返済時に保証料の返還があります。

繰り上げ返済して短縮された返済期間分は保証する必要がなくなるため、その分を返還するというものです。

返済口座に入金されます。

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保証料型の内枠方式では保証料を前払いしていないため、保証料の返還はありません。

ここまでは、そのシステムに納得できますね。

問題は融資事務手数料型です。戻し保証料はありません。

借り換えの場合もありません。融資事務手数料型では損をしているように思えてきますね。

では、融資事務手数料型と保証料型では何が違うのか見ていきましょう。

目次

1. 住宅ローンの諸費用

2. 融資事務手数料型

2.1 融資事務手数料 定率型  

3. 保証料型

  3.1 融資事務手数料 定額型

  3.2 保証料 外枠方式

  3.3 保証料 内枠方式

4. 融資事務手数料型と保証料型、どちらを選ぶ?
5. まとめ

1. 住宅ローンの諸費用 

 住宅ローンの諸費用は主に、融資事務手数料、保証料、不動産会社への斡旋手数料、がん団体信用保険などの保険料、火災保険料、地震保険料などです。

これらは、住宅引き渡し日の前までに支払います。

この中で最も高額なのが、「融資事務手数料」と「保証料」です。

この二つの支払い方法の組み合わせ方によって、住宅ローンは「融資事務手数料型」と「保証料型」に分かれます。

融資事務手数料型:融資事務手数料 定率型 + 保証料なし

保証料型    :融資事務手数料 定額型 + 保証料 外枠方式 または 内枠方式

2. 融資事務手数料型

融資事務手数料がかかり、保証料は不要な住宅ローンを「融資事務手数料型」と言います。

ネットバンクや住宅金融支援機構のフラット35、メガバンクや地方銀行のネット専用住宅ローンなどが採用しています。

融資事務手数料とは、住宅ローンを借り入れるときに手続きの報酬として金融機関へ支払う費用です。

その支払い方法は定率型と定額型があります。定額型については後出、保証料型のところで説明します。

また、繰り上げ返済をする場合、戻し保証料はありません。

2.1 融資事務手数料 定率型

借入額に対して、一定の利率(一般的には2.2%税込)をかけた金額を支払います。

借入額が多くなる程高額になります。

例:3000万円借り入れ、35年返済の場合  3000万円x2.2%=66万円

  5000万円借り入れ、35年返済の場合  5000万円x2.2%=110万円

金融機関の広告で、「保証料0円!」と謳っているのを見たことありませんか?

0円は超お得な感じがしますね。

でも、上記の通り、しっかり融資事務手数料で支払うことになります。

「保証会社手数料」という名目で融資事務手数料が設定されているのです。

繰り上げ返済をする場合、戻し保証料が無いのは保証料を支払っていないからですが、素直に受け入れられない人も居そうですよね。

3. 保証料型

融資事務手数料型に対して、保証料が必要な住宅ローンを「保証料型」と言います。

融資事務手数料は定額型で支払います。

保証料とは、債務者(お金を借りた人)が住宅ローンを返済できなくなった場合、保証会社の保証を受けるために支払う費用です。

その支払い方法は、外枠方式と内枠方式があります。

3.1 融資事務手数料 定額型

各金融機関で決まった金額、数万円程度(3~5万円)を支払います。

借入金利が0.2%程度高くなっていることが多く、総支払額が融資事務手数料型の定率型よりも高くなることがあります。

3.2 保証料 外枠方式

住宅ローンの借入時に保証料を一括で支払います。

一括前払い型、一括外枠方式とも言います。

保証料の算出方法は金融機関所定の保証会社によって異なり、保証料は借入期間や借入額、債務者の信用力などの審査結果によって変わってきます。

信用力が高い人ほど、そして、返済期間が短いほど保証料は安くなります。

金融機関が発表している保証料は最も信用力の高い人に適用される最低水準の数字ですから、目安程度にしておきましょう。

金融機関にきちんとシミュレーションしてもらうことをお勧めします。

保証料の設定は「35年返済で融資額1000万円当たり約20万円」が一般的です。

例:返済期間35年、3000万円借入 3000万円x約20万円/1000万円=約60万円

  返済期間35年、5000万円借入 5000万円x約20万円/1000万円=約100万円

借入時に、まとまった資金が必要になりますが、後出の内枠方式よりも総支払額は少なくなります。

また、繰り上げ返済をする場合、その期間分払い過ぎとなる保証料があるため、戻し保証料があります。

ただし、その期間分全額返還ではなく、保証会社手数料(約5,000~10,000円)、振込手数料などが差し引かれます。

手続きして約1~2か月後に返済口座に振り込まれます。

住宅ローンは支払うばかりなので、入金はかなりうれしいですね。

3.3 保証料型 内枠方式

保証料を住宅ローンの金利に0.2%程度上乗せして、毎月の返済に含めて支払います。

金利上乗せ型、分割内枠方式とも言います。

借入時に支払う費用が少なく済みますが、外枠方式よりも総支払額が多くなります。

例:外枠 金利1.0%、返済期間35年、3000万円借入した場合 総支払額 約3600万円

  内枠 金利1.2%、返済期間35年、3000万円借入した場合 総支払額 約3700万円

また、繰り上げ返済する場合、保証料を前払いしていないため戻し保証料はありません。

4.融資事務手数料型と保証料型、どちらを選ぶ?

以上より、融資事務手数料型と保証料型、どちらも金額は極端な差はない数字になります。

借入金額が少ないなら融資事務手数料型、返済期間が短いなら保証料型の方が向いていると思われますが、住宅ローンの審査結果やいろいろな条件にもよるので、どちらがお得かは一概には言えません。

借り換える場合も、借り換え金額が多いと保証料・融資事務手数料を再度支払うことになります。この負担は大きいです。

住宅ローンの返済計画もしっかり立てて、自分達にあった住宅ローンを選定してほしいですね。

5.  まとめ

住宅ローンには、融資事務手数料型と保証料型がある。

融資事務手数料型:融資事務手数料 定率型 + 保証料なし

保証料型    :融資事務手数料 定額型 + 保証料 外枠方式 または 内枠方式

融資事務手数料型だと繰り上げ返済した場合、戻し保証料がない。

保証料型外枠方式は外枠方式の場合、戻し保証料がある。

住宅ローンの審査結果次第で金利は変わってくるため、いろいろ細かくシミュレーションして、自分達にベストなものを選択する。

住宅ローンの説明書き内に「戻し保証料」の文字をみつけて、「あ、これ知ってる!」と笑顔になっていただけたら嬉しいです。

最後まで、お読みいただきありがとうございました。