変動金利上昇のニュースが多くなり、どこまで上がるのか心配になっていませんか?
実は、住宅ローンの変動金利は上限が設定されています。
15%(利息制限法)。
この数字を聞いて、「良かった」と安堵する人っているのかなと疑問ですが、
貸し手側の都合でいくらでも上げられてしまうよりは良いですね。
また、変動金利には特別なルールがあります。
5年ルールと125%ルールです。
このルールの目的は「金利上昇による家計への負担を軽減すること」。
大変ありがたいルールですが、あくまでも月々の返済を安定的できるようにするためであって、利息が免除される訳ではありません。
【5年ルール】
変動金利とは、半年ごとに金利が見直され、それに応じて返済額が変わるというものです。
つまり、変動金利は「半年の固定金利」と考えるとわかりやすいです。
ですから、もし金利が上がっていたら利息も増えて月の返済額も増えます。
でも、それだと家計の管理が難しくなりますよね。
そこで5年間は返済額が変わらないようにしたのが「5年ルール」です。
図にするとこんな感じです。
図の中の利息と元金がデコボコしていますね。
これは半年毎の金利の見直しで、月返済額内の利息と元金の割合が変わることを表しています。
一定だった5年間が終了すると6年目は金利に合わせて月返済額が変わります。
でも、上がり過ぎると家計への負担が大きい場合もありますよね。
最悪、払えなくなる場合もあるかもしれません。
【125%ルール】
5年ルールで一定だった返済額を見直す際に前回の返済額の125%を上限とするというルールがあります。
図にすると、
例えば、10万円が12.5万円になるということです。
2.5万円が安心する数字かというと疑問ですが、目安になるのは良いですね。
上限はありますが、それを超えた利息は免除になる訳ではありません。
利息をぎゅーっと押し込むイメージで、利息を優先、元金後回しで返済させられます。
図にすると、
利息が優先、元金は後回しな感じがよくわかりますね。
最悪、100%利息のこともあります。
返済しているのに元金が全く減らないという、恐ろしく空しい状況に陥ります。
さらに、利息100%を超えていた場合は完済時にまとめてお支払いする未払利息(みばらいりそく)となります。
利息制限法で上限金利が15%となっているので、そこまで未払利息を心配する必要はないと思いますが、完済時に知るのは悲しいので覚えておいてくださいね。
以上で、ルールの解説を終わりますが、理解は進みましたでしょうか。
固定金利は銀行側がリスクを取っていますが、変動金利は債務者側がリスクを取ります。
なので、銀行側としては変動金利を利用してもらいたいところ。
だからこそ利用するハードルを下げるために5年ルールや125%ルールを作っている訳です。
これらのルールは、採用していない銀行や、採用していても適用されない場合があります。
利用時は銀行に確認しておきましょう。
住宅ローンは年々複雑になってきていて、難しいです。
でも、住宅ローンの仕組みを知ると、ムダな利息を払わずに済みます。
何百万も利息が変わることもあります。
これからも住宅ローンとの上手な付き合い方を発信していきますので、参考にしてください。
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