フラット35の省エネ基準が改正!長期優良住宅の基準が引き上げられたって本当?

フラット35の省エネ基準が改正!長期優良住宅の基準が引き上げられたって本当?

新しく住宅を購入する際に、長期固定金利の住宅ローンである「フラット35」を利用したいと考えている方は多いでしょう。しかし、国際的に脱炭素社会の実現が課題とされている今、2022年10月にフラット35の省エネ基準が変更されました。そこで今回は、変更されたフラット35の省エネ基準について詳しく見ていきましょう。

フラット35の省エネ基準の変更点

フラット35では、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを加速するために、フラット35Sの基準を見直しています。そこでここからは、具体的な変更点について詳しく見ていきましょう。

ZEHプランが新設

2022年10月の改正によって、新たにフラット35SのZEHプランが新設されました。ZEHとは、「NET・ZERO・ENERGY・HOUSE」の略語で、エネルギー収支をゼロ以下にするという意味になっています。つまり、家庭で使用するエネルギーを太陽光発電などの仕組みで作り、1年間で使うエネルギーの量を実質的にゼロ以下にすることができる家のことを指します。これを実現するためには、エネルギーを作ることはもちろん、使うエネルギーを減らすことも重要となります。そのために、家全体の断熱性や設備の効率化を高める必要があります。このプランを選択した場合、当初5年間の金利が0.5%、6~10年目は年0.25%の引き下げとなります。

省エネルギー性の基準

省エネルギー性とは、1年間で利用するエネルギーの量を一定以上減らすことができる家になっているかということです。建物の外壁と窓等の断熱性能によって、1年を通して利用する冷房・暖房のエネルギーを減らすことができます。省エネ基準の変更点は、以下の通りです。

・新築住宅/金利Aプラン:断熱等級5&一次エネ等級6

・新築住宅/金利Bプラン:断熱等級4&一次エネ等級6もしくは断熱等級5&一次エネ等級4または5

・中古住宅/金利Aプラン:断熱等級4以上&一次エネ等級6もしくは断熱等級5&一次エネ等級4または5

耐震性

耐震性とは、万が一地震が起こった時の耐久性について示したものです。数百年に一度程度で発生する地震が起きたことを想定した力の1.5倍のパワーの時、倒壊・崩壊しないことを想定したものです。耐震性の基準の変更点は、以下の通りです。

・新築住宅/金利Aプラン:耐震等級3(構造駆体の倒壊等防止)もしくは免震建築物

・中古住宅/金利Aプラン:耐震等級2以上(構造駆体の倒壊等防止)もしく免震建築物

 ・中古住宅/金利Bプラン:設定なし

バリアフリー性

バリアフリー性とは、誰もが基本的な生活をしやすい環境になっているかどうかを示したものです。車いすの使用者が移動する際に転倒・転落しない状況を作っていることが重要となっています。バリアフリー性は、新築住宅の変更点はなく中古のみとなっているので、注意しておきましょう。

・中古住宅/金利Aプラン:高齢者配慮等級3以上

・中古住宅/金利Bプラン:高齢者配慮等級2

耐久性・可変性

耐久性・可変性とは、長期に渡って良好な状態で使用するための構造や設備を指しています。基本的には、長期優良住宅のこととなっています。元々、新築住宅は長期優良住宅となっていたので変更点はありませんが、中古住宅のみが条件の引き上げの対象となります。

・中古住宅/金利Aプラン:長期優良住宅(維持保全計画認定を含む)もしくは劣化対策等級3&維持管理等級2以上

・中古住宅/金利Bプラン:設定なし

2023年4月には再度引き上げが実施される予定

2022年10月時点での変更点は、先ほど紹介したものとなっています。新築住宅はもちろんですが、中古住宅の条件も変更対象となっていました。しかし、2023年4月には、すべての新築住宅について省エネ基準が要件化されることになっています。つまり、フラット35が新たに定める省エネ基準を満たした新築住宅でない限り、フラット35を利用することができなくなるということです。このように変更されるのは、2025年からすべての新築住宅に対して省エネ基準適合が義務づけられるため、それに向けて行われるのだと考えられます。このことも想定して、今回の変更点をチェックしておいた方がよいでしょう。

まとめ

いかがでしたか?多くの企業が脱炭素社会を目指す中で、フラット35でもより省エネ基準を引き上げを行っています。2022年10月の変更では、新築・中古住宅共に大きく変更されているので、住宅ローンを検討している方は細かくチェックしておくようにしましょう。また、2023年4月には再度省エネ基準が変更される予定です。ローンを組むタイミングによって内容も金利も異なるので、こまめにチェックしておくようにしましょう。


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