サラリーマンでも減税できる方法として多くの方に知られているのが「住宅ローン減税」と「ふるさと納税」です。そのため、住宅ローン減税を受けている期間にふるさと納税も併用することができるのか、疑問に感じている方も多くいるのではないでしょうか？そこで今回は、住宅ローン減税とふるさと納税の併用方法と、その注意点について見ていきましょう。

住宅ローン減税とふるさと納税の併用は可能

住宅ローン減税とふるさと納税は、どちらも一緒に使うことが可能となっています。その理由は、どちらも異なる控除になっているからです。そこでここからは、住宅ローン減税とふるさと納税の概要について見ていきましょう。

住宅ローン減税とは

住宅ローン減税とは、住宅借入金等特別控除のことを指します。この控除を利用することができるのは、新たに住宅ローンを使って住宅を購入した方で、住宅ローンの負担を減らすために作られています。住宅を購入してから13年の間、年末の住宅ローン残高と住宅取得対価の少ない方の金額の1%が控除の対象となるというものでした。しかし、2022年度の税制改正により、現在は期間が13年、控除額が0.7%となっています。

ふるさと納税とは

ふるさと納税とは、自分が選択した自治体に寄付を行うという制度で、寄付金のうち2000円を越える金額は寄付金控除を受けることができるようになっています。ふるさと納税を受けるためには、基本的には寄付金受領証明書を用いて確定申告を行わなければいけません。ただ、源泉徴収を受けている方の場合、事前に申し込むことによってワンストップ特例制度を受けることができ、自治体に申請書と本人証明書類を出すだけで可能となります。

住宅ローン減税とふるさと納税を併用する方法

ではここからは、住宅ローン減税とふるさと納税の併用方法について見ていきましょう。

確定申告を行う

一般的に控除を受ける場合、確定申告を行います。ふるさと納税は寄付金控除、住宅ローン減税は住宅借入金等特別控除となっているので、両方を記載して申請すればどちらも受けることが可能です。しかし、計算に用いられる順番が決まっており、ふるさと納税が先に行われます。そのため、金額によっては控除額にロスが出てしまう可能性もあるので、注意しておきましょう。

ワンストップ特例制度で行う

ふるさと納税をワンストップ特例制度で行う場合、ふるさと納税の控除は全額住宅税から控除となります。住宅ローン減税は所得税からの控除となるため、控除額の計算に影響を与えることなく、よりお得に申請することができるでしょう。ただ、ワンストップ特例制度を行うためには、「確定申告を行う必要がない給与所得者」「1年間に5か所以内の自治体に寄付を行った方」などの条件が決められているので、自分が該当するかどうかきちんとチェックしておくことをおすすめします。

住宅ローン減税とふるさと納税を併用する際の注意点

住宅ローン減税とふるさと納税を併用すると大きく納税額を抑えることができますが、注意しなければいけない点もあります。そこでここからは、併用の際の注意点について見ていきましょう。

住宅ローン減税初回はワンストップ特例制度が使えない

給与所得者の方がふるさと納税を利用する場合、より手軽に使うことができるワンストップ特例制度を使いたいと考える方もいるでしょう。しかし、住宅ローン減税の初回の場合は、確定申告を行わなければいけません。そのため、ワンストップ特例制度を使うことができないのです。初回はどちらも所得税からの減額となるため、ふるさと納税を行う際には減税対象となる額について確認してから行うようにしましょう。

住宅ローン減税上限に気をつける

住宅ローン減税は、所得税で控除しきれなかった場合には、その金額か課税所得金額に5%をかけた額（限度額97500円）のいずれかの小さい方が住民税から減額されるという仕組みになっています。そのため、所得税の金額以上の住宅ローン減税が受けられる場合には、ふるさと納税の額に注意が必要です。確定申告を行う際だけではなく、ワンストップ特例制度を利用する場合でも、ふるさと納税によって控除額のロスがないように注意しておきましょう。

まとめ

いかがでしたか？住宅ローン減税とふるさと納税は、併用することができます。この2つを使うことによって、納税額を大きく減らすことができるので、有効的に使った方がよいでしょう。しかし、両者の金額によっては、控除額が損になってしまうことも考えられるので、自分の納税額と控除額はしっかりと計算して計画を立てた上で行うことをおすすめします。上手に控除を使って、節税に取り組んでみてはいかがでしょうか？

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