こんにちは、皆川です。
今回は住宅ローンの団信についてお話します。
「だんしんって何?」って思いながら住宅ローンの説明を聞いている方はいらっしゃいませんか?
また、保険の加入料が0円?団信や○大疾病など種類がいっぱいあるけど何を選べばよいの?返済を免除されないこともあるってどういうこと?と疑問がいっぱいあり過ぎて困っている方も多いと思います。
団信について、わかりやすく解説していきます。
目次
1.団信って何?
2.団信加入料は0円って本当?
5.まとめ
1.団信って何?
団信=団体信用生命保険です。
掛け捨ての死亡保険で、住宅ローンを組まれている方に万が一(死亡、高度障害)のことが起きた場合はローン残高が0円になるというものです。
簡単に言うと、夫が住宅ローン返済中に亡くなった場合、残された妻が住宅ローンを払うことになったり、家を失うことがないように保険を掛けるということです。
住宅ローンが完済すると、その保険期間も終了します。
2.団信加入料は0円って本当?
団信の中で、一般団信と呼ばれるものは、0円です。
これは、銀行がお客様の万が一に備えて保険を掛けているものです。
「銀行が負担いたします」なんて、親切そうな文言が記載されていたりします。
これはフラット35以外、ほぼ住宅ローンを組む時に強制加入。
0円なら、強制加入でも良いかということになるんでしょうね。
保険契約者が金融機関、被保険者はローン契約者、保険金受取人は金融機関となっています。
実はこの保険料は住宅ローンの返済の中に含まれています。
団信加入が任意のフラット35の場合、加入しないと金利が0.2%低くなることからも想像できます。
3.団信と○大疾病、何が違うの?
団信と○大疾病はどちらも団体信用生命保険の中の商品です。
○大疾病は団信の特約名で、「○大疾病保障特約付き団信」の略。
一般団信の死亡・高度障害をベースとして、商品名の違いで保障幅の違いを表しています。
一般団信は前出の通り、加入料は0円ですが、特約付き保険は金利上乗せ(0.1~0.3%)となります。
主な団信の種類と上乗せ金利、保証内容は以下の通り。
一般団信 :(金利上乗せ無し)死亡・高度障害
ワイド団信:(0.2~0.3%)既に何等かの健康状態に問題がある時、一般団信よりゆるい基準で加入可能
がん団信 :(0.1~0.3%)一般団信+がん
3大疾病 :(0.3%)がん団信+脳卒中・心筋梗塞保障を加えたもの
7大疾病 :(0.3%)3大疾病+高血圧疾患・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変
8大疾病 :(0.3%)7大疾病+膵炎
11大疾病 :(0.3%)8大疾病+大動脈瘤乖離・皮膚がん・上皮新生物
(ただし、脳卒中は脳血管疾患に、心筋梗塞は心疾患と対応範囲が広くなる)
全疾病型 :(0~0.2%)11大疾病+その他の病気・怪我
(がん50%保障の場合上乗せ無し、100%の場合0.2%)
団信革命 :(0.3%)全疾病型+身体障害(りそな銀行オリジナル商品)
各保障は、厳しい要件が定められています。
死亡の場合はそれが全てですが、他の病気や高度障害については12か月以上就労不能状態にならないと対象外となるなど、条件がかなり厳しく、対象になる人がどれほどいるかは疑問です。
がん団信は、「がんになれば対象」という訳ではなく、がんの種類も浸潤がんなど転移するものなどに限っています。
特約は返済額が0円になる保障ではなく、長期入院した場合に月の支払いをカバーできるものとして考えておくと良いと思います
りそな銀行の団信革命は、「革命」というだけあって、がんと診断確定されたらローンの返済が0円になったり、要介護2以上でも対象になるなど手厚い内容になっています。
フラット35の場合、一般団信に身体障害がつきます。
新機構団信 :(上乗せ無、加入しない時Δ0.2%)一般団信+身体障害
新3大疾病付機構団信 :(0.24%)新機構団信+がん・脳卒中・心筋梗塞・介護
夫婦連生団信(デュエット):(0.18%)夫婦で連帯債務型の住宅ローンを組んで、どちらかが死亡・高度障害になった場合、二人とも返済が免除される。
夫婦連生団信を扱う金融機関は、住宅金融支援機構と楽天などまだ少ないです。
現在、住宅ローンの金利引き下げ競争は限界に来ていますね。
その結果、金利以外の付加価値部分で他の金融機関との差別化を図るべく、特約のサービス競争が始まっています。
各金融機関の保証内容、所定要件、上乗せ金利などを確認し、比較して自分達に必要な過不足ない保障を選んでください。
手厚い保障の場合、その分上乗せする金利が多くなり、住宅ローンの返済額が多くなります。
金利上乗せの場合、途中で団信の解約・加入はできません。
繰り返しますが、住宅ローンが完済するとその保障期間も終了します。
保険に入る目的をしっかり定めて、今、既に加入している保険も見直すことをお勧めします。
4.住宅ローンの返済が免除されない場合がある?
住宅ローンの返済が免除されない場合は有ります。
一つずつ見ていきましょう。
①そもそも団信に入っていない。
フラット35の場合、団信に入らなくてもローンが組めます。
団信に加入せずに何千万円もの負債を抱えるのは不安でしかありませんが、持病や病歴により、加入できないこともあります。
その場合は、別に保険に加入して対策しておくことをお勧めします。
②住宅ローンの延滞があった。
利息から保険料を払うものが多いため、返済が滞ると保険契約が失効する場合が有ります。
③夫婦で住宅ローンを組んだ。
連帯債務の場合、組んだ住宅ローンは1本のため、団信に加入できるのは主たる債務者のみ。
夫が主たる債務者の場合、夫が死亡すると免除されるが、妻が死亡した場合その持分は免除されません。
この場合、夫婦連生団信に加入していれば、夫婦の全負債額の残高が免除されます。
連帯債務に関する記事はこちら
☆ちょっと待って!その収入合算は大丈夫?
https://ietateru-consul.com/blog/1932/
④親子リレーローンを組んだ。
原則子のみ団信に加入するため、親が死亡した場合は全額残ります。
以上のようなケースを想定して、住宅ローンを組み、団信に加入して万が一に備えましょう。
団信はローンの途中から加入できないので、注意が必要です。
特に借り換えをする場合、再度、審査を受けて団信に改めて加入します。
最初の借入時は健康だったけれど、年をとって例えば高血圧の薬を服用するようになったり体調に変化があると団信に加入できません。
住宅ローンはきっちり返済をすることはもちろん、健康でいることも重要です。
健康を害さない、無理のない返済計画を立てましょう。
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5.まとめ
・団信(=団体信用生命保険)は、掛け捨ての死亡保険で、住宅ローンを組まれている方に万が一(死亡、高度障害)のことが起きた場合はローン残高が0円になるというもの。
・団信の中で、一般団信と呼ばれるものの保険料は、0円。
保険契約者が金融機関、被保険者はローン契約者、保険金受取人は金融機関。
・○大疾病は団信の特約名で、「○大疾病保障特約付き団信」の略。
一般団信の死亡・高度障害をベースとして、商品名の違いで保障幅の違いを表す。
特約付き保険は金利上乗せ(0.1~0.3%)で途中解約ができない。
・住宅ローンの返済が免除されない場合が有る。
返済を滞らせないこと、住宅ローンの組み方に熟慮が必要。
金利が低い今、加入する団信によっては、借入金利が3割増しになることもあります。
よくわからないけど、入っておけば安心という安易な選択、契約はしないよう、くれぐれもご注意くださいね。